こんにちは。ダタク @iQeeeda です。
僕はいま、家族 4 人でマレーシアのペナン島に住んでいます。
その滞在を支えてくれたのが、デジタルノマドビザ「DE Rantau」でした。
「でした」と過去形なのは、初回の審査は通ったのに、9 ヶ月後の更新がバグで処理できなかったからです。
公式からは、いまも音沙汰がありません...
結論: ノマドビザは取れる。ただし覚悟はいる
先に結論です。
- 申請費用は家族 4 人で約 10 万円
- 申請から承認まで約半年。しかも家族バラバラに承認される
- 書類が重い。過去全部の仕事の契約書 + 戸籍謄本の 4 段階認証
- 更新は申請サイトのバグで失敗 → タイへ観光ビザラン
- それでも滞在が子どものインター校進学に繋がった。感謝はしている
※ 2024〜2026 年の体験です。最新の要件は公式サイトで確認してください
今回は「マレーシアのデジタルノマドビザ、実際どうなの?」という話を、申請から更新失敗までの 1 年半の時系列で書きます。
それでは解説していきます。
DE Rantau (マレーシアのデジタルノマドビザ) とは
MDEC (Malaysia Digital Economy Corporation) が運営する、リモートで働く外国人向けの滞在パスです。
観光ビザの制限を気にせず、マレーシアに滞在しながら働けます。
参考) DE Rantau 公式サイト
要件や費用は変わる可能性があるので、申請するなら必ず公式を確認してください。
この記事はあくまで、2024〜2026 年に僕が体験した記録です。
ノマドビザの申請費用は家族 4 人で 10 万円
2024 年 9 月、申請を出しました。費用は家族 4 人ぶんで約 10 万円。
審査に落ちる要素はないと思っていました。
それでも、合否待ちのメールボックスを眺める時間は、ずっと胃に悪かったです。
書類が重い。全契約書と戸籍謄本の 4 段階認証
申請書を出すだけでは終わりません。
実績の証明や家族まわりの書類に、とにかく手間がかかりました。特に効いたのがこの 2 つです。
過去全ての仕事の契約書が必要
前提として、僕は会社経営者 (役員) です。
会社員と違って雇用契約書がないため、リモートワークの実績は過去の案件の契約書で証明することになります。
審査の途中で求められたのは、その契約書の全部。
僕は 95% くらい保存していたので何とかなりました。書類を捨てないタイプで良かった...
戸籍謄本は 4 つの認証をリレーする
既婚者・子持ちの場合は、戸籍謄本の提出が必要です。
ただし戸籍謄本をそのまま出しても認めてもらえません。こういうリレーが必要です。
- 戸籍謄本を英訳する
- 公証人の認証を受ける
- 法務局の認証を受ける (郵送可)
- 外務省の認証を受ける (郵送可)
- 駐日マレーシア大使館の認証を受ける (郵送可)
なぜこんな長いリレーになるのかというと、マレーシアが「 外国公文書の認証を不要とする条約 (ハーグ条約) 」に加盟していないからです。
そのため戸籍謄本や登記簿謄本などの公的文書をマレーシアの機関に提出する場合、アポスティーユ (Apostille) だけでは受理されず、外務省の公印確認と大使館の領事認証まで通す必要があります。
人生で公証役場に行く機会が来るとは思いませんでした。
目の前でサインして「誓います」と宣言する、あの海外の文化を日本で体験できます。
マレーシア大使館の認証は郵送でいける
認証リレーの終盤はほぼ郵送で完結します。
僕が (東京渋谷の) 駐日マレーシア大使館に送ったのは以下です。
- パスポートのコピー
- 外務省の認証を受けた書類 (僕のときは会社の登記簿謄本)
- 現金書留 690 円 (手数料)
- 返送用のレターパックプラス
- 郵送依頼申込書 (自作)
郵送依頼申込書は自作します。書いたのはこのあたりです。
- 名前
- 日本の住所
- 電話番号
- メールアドレス
- 「郵送時の遅れや書類に関するいかなる負債に対する返済や責任を大使館に求めないこと」の一文
審査は遅い。そして家族バラバラに承認される
審査は噂どおり時間がかかりました。困ったのはこのあたりです。
- 何度も同じことを聞かれる
- 何度も同じ書類の「最新版」を求められ、そのたびに英訳し直し
- 取引先にも普通にメールが飛ぶ
- そして返信は遅い
申請サイトの作りも厳しくて、修正が終わる前に再提出ボタンを押したら、それ以降なにも修正できなくなりました。確認画面くらい表示してほしい。
そして 2025 年 3 月、申請から約半年でようやく承認されました。ただし。
承認されたのは妻と息子だけ。僕と娘はまだ。なんで!
僕と娘のぶんも、遅れて無事に承認されました。これで家族 4 人ぶんが揃い、マレーシア生活のスタートです。
承認後もつまずく。EVISA 不具合と銀行口座
承認で一件落着、とはいきませんでした。滞在してからも MDEC まわりの引っかかりは続きます。
EVISA の発給が Pending のまま止まる
滞在に必要な EVISA の発給ステータスが、いつまで待っても Pending のまま動かない。
手元の EVISA の期限も迫っていたので問い合わせたら、まさかのシステム不具合とのこと。
結局メールで EVISA を送ってもらって事なきを得ました。
※ 現在は電子 (PDF) での発給に切り替わっています。
ノマドビザだと大手銀行の口座が開けなかった
現地の生活面でも一つ。デジタルノマドビザの滞在だと、銀行口座の開設はことごとく断られました。
HSBC をはじめ、大手銀行は全滅です。
僕の海外口座まわりは結局 Wise に助けられています。詳しくは関連記事で。
参考) HSBC Malaysia 公式 / Wise 公式
ビザ更新はバグで失敗。タイへ観光ビザラン
マレーシアに来て 9 ヶ月ほど経った 2026 年 2 月、パスの更新時期が来ました。
ところが更新を申請しようとしたら、今度は申請サイトのバグで、手続きそのものが進みません。
サポートにメールしても 3 週間返事なし。リマインドしても、なし。
滞在期限は待ってくれません。
結局、一度タイに出国して入り直す、いわゆる観光ビザランをするハメになりました。
ビザラン先はタイのプーケット
行き先はプーケット。
家族 4 人ぶんのビザラン費用は、完全に予定外の出費です。子どもの学費もあるのに...
それでも DE Rantau には感謝している
文句を並べましたが、このビザが人生の転機だったのは間違いありません。
- 9 ヶ月のマレーシア滞在ができた
- その間に息子の インター校 転校が決まった
- そのおかげで、学生ビザ・保護者ビザ取得の目処が立った (妻は先日ガーディアンビザを取得。僕のぶんは申請中です)
会社員・個人事業主のリモートワークにはノマドビザが本命
ここで一つ補足です。保護者ビザなどの滞在ビザは、マレーシアでの就労を想定していません。
日本案件のリモートワークであっても、そのまま働くとマレーシア課税やビザ違反になる可能性があるのだとか。
僕は役員報酬 (日本側で課税) なので、保護者ビザへの切り替えでもなんとかなりそうです。
ただの会社員や個人事業主がリモートワークで長期滞在するなら、やはりノマドビザが本命になります。このあたりは必ず専門家や公式情報で確認してください。
デジタルノマドビザは「移住の入口」として、ちゃんと機能しました。
ただ、申請サイトのバグとサポートの遅さは、これから申請する人も覚悟しておいてください。
あと、仕事の書類は捨てずに全部取っておきましょう。いつか効きます。
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